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ラフ・メイカーにみられるリアリティ

■【前置き】創作におけるリアリティ

 

先日友人と話しているときに、創作が名作たり得るにはリアリティが必要である、という話が出ました。このことには確かに同意できるのですが、それがなぜそうなのかというところについてはその時はわかりませんでした。このことを前置きで記載するのは、この曲を考察した時に、先述の、創作の中のリアリティということがより明確に意識されたからです。順を追って説明します。

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『Butterflies』作詞・作曲:藤原基央

BUMP OF CHIKENの最新アルバム『Butterflies』を聞きました。当該アルバムは2016年2月発売で、ファンとしてはあるまじき1年遅れでのフォローアップなのですが、これが傑作でした。管理人はBUMP OF CHIKENのファンで、中学生のころから聞いているのですが、今回のアルバムは、ここ10年スパンで見ても最高の出来、というかファン歴がちょうど10年ぐらいなので管理人のファン史上最高と言ってよい出来だったと思います(最初にバンプを聞いた時の遥か昔の感動を今現在の感動と比較することは困難ですが)。

 

バンプっぽい最高にシャレオツな言い回しや10年前から進化し続けているサウンドは収録の全曲随所にちりばめられていましたが、特によかった作品は、『流星群』、『宝石になった日』、『You were here』の三曲です。

 

  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆
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『モーパッサン短編集Ⅰ』(著:モーパッサン、訳:青柳瑞穂)

本読みました。

モーパッサン短編集Ⅰ』(著:モーパッサン、訳:青柳瑞穂)

 

訳者である青柳瑞穂氏によるあとがきに、非常に的確なモーパッサン評がありました。

 

彼の師フローベールは、読書と思索に、己の資源を求めていたのに反し、モーパッサンは生活そのもののなかに求め、生活の沼から手づかみに泥をすくいあげて、それをそのまま原稿用紙の上にぶちまけたという感じだ。

 

これが非常に言い得て妙で、作品の中には日常風景のただのスケッチにとどまるような、いわゆる「オチがない系」のものが割とあります。道で紐を拾ったことで泥棒と間違えられ、それが名誉と意地の騒動に発展する『紐』、資産家の独身老人の遺産を目当てに、その家に娘をバイトにやる『木靴』などはまさにそうで、それ単発で読んでも意味が通りにくいです。その意味ですべての短編がよく練られていない、荒削りの印象があるのですが、そんな日常の風景の中にふいに感動するような自然の描写や登場人物の心の動きが現れ、これが読み手に取って非常な感動をもたらします。自然体な作風ゆえに、その美が全くの偶然に、ありのままの姿で(作者が意図していたかどうかは定かではありませんが)描写されていると読み手は感じます。

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荒削りな作品の中に不意に現れる美

 

特に面白かった作品は、『アマブルじいさん』、『悲恋』、『椅子なおしの女』の三篇です。

 

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女性専用車両に性的魅力の乏しい女性が乗ることに対する批判

考察しました。

 

構成は以下の通りです。

■イントロ

■女性の心理

■問題の言説

--まとめ--

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本の感想詰め合わせ

最近読んだ本が面白いか面白くないか微妙なラインで、何となく感想を書きあぐねていたらそれが溜まっちゃったんでまとめてテキトーにレビューします。

 

メニューは下記の通りです。

『ポプラの秋』湯本香樹実_著

『漁港の肉子ちゃん』西加奈子_著

『月光スイッチ』橋本紡_著

『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』ジェーン・スー_著

--まとめ--

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『ミノタウロスの皿』藤子・F・不二雄著

本読みました。

ミノタウロスの皿』藤子・F・不二雄

 

ドラえもんで知られる藤子・F・不二雄氏の短編集(漫画)です。異世界や時間旅行などが頻出し、SF的な作品が多いです。SFを舞台演出や小道具として使って何を書くのかというと、その中でも実際の現代社会と変わらずあり続ける人間のエゴやおたがいが分かり合えない様で、ブラックユーモアやシニカルな笑いにあふれた作品になっています。キャラクターがドラえもんオバQ(こちらは本作の中に後日譚が出てきますが)の、あのコミカルでかわいらしいデザインにもかかわらず、しかし随所で驚くほど怒りや悲しみ、憎しみと言ったネガティブな方面で表情豊かで、そのギャップが本作の毒を効果的に演出していて、また作者の漫画家としての技術の高さが伺えます。

 

特に面白かったのは、『じじぬき』、『ミノタウロスの皿』、『劇画・オバQ』の三篇です。

 

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浜辺の手

家族で海辺に旅行に行った時のことです。海辺の民宿に宿をとり、両親と弟二人と一緒に5人で砂浜に遊びに出ました。あいにく天気はどんよりとした曇りで、空には分厚く暗い雲、海は緑、波はわずかで、浜辺にはほかの客もまばらで、あいにくの状況でしたが、私たち家族の家は内陸にあり、海が珍しくて、はしゃいでいたように思います。私と二番目の弟、お守りの父は海に入って泳ぎ、母と末の弟は砂浜に立てたパラソルの下で休んでいました。

 

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