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2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『少年時代』トルストイ著、原卓也訳

■他者を意識すること 訳者の解説によると、 トルストイはこの作品の中で少年時代という時期の特色を、「それまで見慣れていたあらゆるものが突然まだ知らなかった別の面を示したかのように、ものの見方がまったく変わってくる」ことにあると説明している。そ…

『恐るべき子供たち』コクトー作、鈴木力衛訳

■無邪気さ エリザベートは着物をぬいだ。姉と弟の間には、何の気兼ねもなかった。この部屋はひとつの甲羅みたいなもので、二人は同じからだの二つの手のように、そのなかで生活し、洗ったり、着物を着たりするのだった。

『アンキャニー 不気味の谷』に寄せて ~読書という体験について~

『アンキャニー 不気味の谷』というのは、AIとそれを作った科学者がAIのテストのために他人を利用する話です。話自体はどうということもなかったのですが、ちょっと考えさせられたので記事にします。 ■本作はなぜ微妙なのか というと、やはり主題がはっきり…

『饗宴』プラトン著

アガトンの家でみんなで飲んでいると、愛についての演説を順番にしていこうという流れになって、いろいろあって最後にソクラテスがすごいいい演説をする話です。みんなの演説が本作の中心なのですが、読んでみて演説を順番にしていってみんなで聞く、という…