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2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『若き人々への言葉』ニーチェ著

■章立てがわかりやすい ニーチェの生涯の思想を五つに分けて、それぞれに説明を付して時系列で配置していて、非常に直感的でわかりやすいです。説明だけを通しで読んだらわかった気になるし、中身を読む前に説明を読むことで準備ができていいと思います。基…

ホラーというジャンルについて

ホラー映画が好きでよく見るのですが、ホラーというジャンルはかなり作るのが難しいだろうなあ、と、見てて思います。 ■ホラーを構成する2要素 ホラーと呼ばれる作品を考えた時、どの作品にも共通して二つの側面があることは、割と明証的に知れると思います…

『雁』森鴎外著

■不健康な人たち 登場人物の心象風景が、普通の人たちの病的な心の側面を拡大したかのようなものが多く、作品全体に非常に危うい印象を与えていると思います。 とうとう一週間立っても、まだ娘は来なかった。恋しい、恋しいという念が、内攻するように奥深く…

『方法序説』デカルト著、小場瀬卓三訳

世界史の教科書に載るレベルの有名なやつです。有名な考えるゆえにわれありを生で見たいというミーハーな動機から読み始めた本書でしたが、哲学書の中では非常に読みやすかったです。 ■仮の格率 デカルトは真理を探すために疑えるものはすべて疑っていました…

『幸福論』ヒルティ著、草間平作訳(3/3)

■信仰について 本書を読んで一番強く感じたのがこの信仰に関することを考えないといけない、ということでした。まず、本書における神、信仰は哲学の対立概念です。哲学が古代から近代にいたるまで、人々が求める疑問への回答を提出出来ていないこと、に触れ…

『幸福論』ヒルティ著、草間平作訳(2/3)

■ストア派 続きです。 サラダはどれほどで売られるか。多分1グロッセンぐらいであろう。さて今、ある人が自分のもっている1グロッセンを支払って、その代わりにサラダを得たとする。君は金を手離さず、何物も得なかったとする。しかし、きみはその人よりも決…