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『ゼロ・グラビティ』

映画観ました。『ゼロ・グラビティ

 

摂氏125度からマイナス100度の間で変動する温度、音を伝える空気も、酸素もなく、90分ごとに襲ってくるスペースデブリの群れという極限状態の宇宙で、地球への生還を目指す宇宙飛行士の孤独な戦いを描いた作品です。

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モーパッサンの短編にみられる逆説的表現について

モーパッサン短編集1-3を通しで読んで、「逆説的な表現」がよくつかわれているということに気づきました。

 

■貧乏の表現

例えば、貧乏を説明するときに、貧乏で生活が苦しい様を描くのではなくて、逆に貧乏な家庭がたまのハレの日に奮発して彼らなりにスペシャルな料理を食卓に並べた様を描いていて、これが直接的に貧乏を描写する以上に効果的に貧乏を説明している、という箇所があります。

 

例えば『田園悲話』において、

 

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岡崎体育氏の楽曲『Snack』『飛び散る恋神経系』『式』考察

今、『岡崎体育』氏がアツいです。私はGINROのCMソング『割る!』がよかったのでそれから同氏の曲を聞き始めたのですが、そういうオモシロイノリのいい曲から、『鴨川等間隔』のような10-20代の感性を瑞々しく捉えた真面目系の深い曲まで手掛ける非常に幅の広いアーティストです。

現在Youtubeにてアップされている真面目系の曲『Snack』『飛び散る恋神経系』『式』について解説を試みます。

 

  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆

 

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『モーパッサン短編集Ⅱ』(著:モーパッサン、訳:青柳瑞穂)

本読みました。

モーパッサン短編集Ⅱ』(著:モーパッサン、訳:青柳瑞穂)

 

ちょっと前にこの短編集のⅠの感想をアップしましたが、訳者の青柳瑞穂氏によると、Ⅰはモーパッサンの故郷であるノルマンディの漁村農村を舞台にした「田舎モノ」、続くこのⅡは、モーパッサンが青春時代を過ごしたパリを舞台にした「都会モノ」という分類になっているとのことでした。

『モーパッサン短編集Ⅰ』(著:モーパッサン、訳:青柳瑞穂) - H * O * N

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『「友達いない」は"恥ずかしい"のか』著:武長脩行

本読みました。

『「友達いない」は"恥ずかしい"のか』著武長脩行

 

本書は、孤独でいられること、あるいは孤独の中で行われる精神作用を幸せに生きるために必要な活動と位置づけ、孤独の効用とその実践のためのヒントが記載されています。

 

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ラフ・メイカーにみられるリアリティ

■【前置き】創作におけるリアリティ

 

先日友人と話しているときに、創作が名作たり得るにはリアリティが必要である、という話が出ました。このことには確かに同意できるのですが、それがなぜそうなのかというところについてはその時はわかりませんでした。このことを前置きで記載するのは、この曲を考察した時に、先述の、創作の中のリアリティということがより明確に意識されたからです。順を追って説明します。

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『Butterflies』作詞・作曲:藤原基央

BUMP OF CHIKENの最新アルバム『Butterflies』を聞きました。当該アルバムは2016年2月発売で、ファンとしてはあるまじき1年遅れでのフォローアップなのですが、これが傑作でした。管理人はBUMP OF CHIKENのファンで、中学生のころから聞いているのですが、今回のアルバムは、ここ10年スパンで見ても最高の出来、というかファン歴がちょうど10年ぐらいなので管理人のファン史上最高と言ってよい出来だったと思います(最初にバンプを聞いた時の遥か昔の感動を今現在の感動と比較することは困難ですが)。

 

バンプっぽい最高にシャレオツな言い回しや10年前から進化し続けているサウンドは収録の全曲随所にちりばめられていましたが、特によかった作品は、『流星群』、『宝石になった日』、『You were here』の三曲です。

 

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