『「自分らしさ」を出せる人出せない人』
本読みました。
『「自分らしさ」を出せる人出せない人』鴨下一郎著
目次は下記の通りです。
■間違った思い込み
- 誰からも嫌われてはいけない → 人に嫌われてもいい
- バカにされないように行動する → バカにされてもいい
- 予定通り完了させなくてはならない → 完璧でなくてもいい
- 与えられた仕事はすべて終わらせなければならない → 自分の人生にとって優先度の高いものだけできていればいい
- 大きな問題を解決しなければならない → 大したことはできなくていい
- 自分にしかできない仕事がある → 歯車の一つでいい
--まとめ--
目からうろこな考え方が多く載っていて、生活をストレスフルにしていた思い込みが間違いだったとわかる本です。気付いた思い込みをいくつか挙げてみます。
■間違った思い込み
- 誰からも嫌われてはいけない → 人に嫌われてもいい
重要なのは、みんなに好かれることではなく、好かれる必要のある人に好かれることであり、その取捨選択をしていることが重要です。何をやっても、あるいは何もやらなくても、誰かには必ず否定されます。世の中にはいろんな考え方があって、その中には正反対のものもあるのだから当然です。誰かに気にいられる行動というのはその誰かと逆の考えを持っている人から見れば忌々しい愚行になるのですから。嫌われないようにするのではなく、嫌われながらも目指す方向に進んでいくことが正しいあり方なのだと思います。
- バカにされないように行動する → バカにされてもいい
バカにされないようにしようとすると、自信がついてから行動するようになってしまいます。しかし、100%の自信が付くということはほぼありません。何か行動を起こすときはいくらかの不確定要素があるのが普通です。バカにされないために行動しないより、バカにされるの覚悟で行動してその結果から何かを学んでいったほうがいいです。バカにされることが恐ろしい人に対しての著者の回答は「それぐらいいではありませんか。バカにされるぐらい、あきらめてください」という素っ気無いものです。しかしこの回答が真理だと思います。バカにされることを恐れて行動範囲が狭くなる弊害を考えると、バカにされることとそれを我慢することのコストは安くつくということだと思います。
- 予定通り完了させなくてはならない → 完璧でなくてもいい
予定通り完了させることだけが責任ある仕事というわけではありません。予定より遅れてしまって、対応方法を考えたり、あるいは怒られて謝ったりすることも同じように責任ある仕事です。
- 与えられた仕事はすべて終わらせなければならない → 自分の人生にとって優先度の高いものだけできていればいい
優先順位の高いものがしっかりできていれば、長い目で見て問題ありません。優先順位の低い仕事を依頼した人には怒られるかもしれませんし、関係各所には迷惑がかかるかもしれませんが、その人の人生というスコープで見れば、優先順位の高いものができているので(優先順位の低い仕事や人間関係が悪化しても)問題ないといえます。
- 大きな問題を解決しなければならない → 大したことはできなくていい
環境問題や高齢化問題の解決に向けて努力したところで、そんな大きなテーマは一朝一夕には解決できません。自分の手の届く範囲の小さな問題を解決でき、そこに達成感を感じることがまず重要です。その小さな達成感の積み重ねで、取り組むテーマを徐々に大きくでき、それが自分の人生の幸福につながっているとき、人生が楽しくなっているはずです。
- 自分にしかできない仕事がある → 歯車の一つでいい
たとえ会社の社長ほどの偉い人でも、いなくなればすぐに新しい社長が選ばれ会社は続いていきます。社会に参加しているとき、歯車の一部である状態が普通です。「自分にしかできない仕事がある」という美辞麗句は、解釈の仕方が難しい、危険な金言であるといえると思います。
--まとめ--
何か一つの規範が与えられ、それをいったん信じることに決めてからは、その規範を疑うことをしなくなるというのはよくあることだと思います。他の本には、この状態は「小学五年生のときにダウンロードしたアプリを捨てずに持っていて、それにバッテリーが消費している」状態として紹介されていました。子供の頃の先生や友人や両親に言われたことや価値観を捨てずに持っていて、無意識のうちに大人になった自分の行動が規定されています。この本は、そういう古い常識が本当に正しいのかという批判的観点から論理的な検証を加え、無駄な発想を捨て去り、前に進むことに力を使える状態になることを手助けする本だと思います。
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