『冷血』カポーティ著、佐々田雅子訳
■要するに
実際にあった一家四人の惨殺事件を題材にした作品です。徹底した取材と膨大な資料を基に物語を構成するニュージャーナリズムと呼ばれる手法で書かれた、筆者曰くノンフィクション・ノヴェルであるところの本書は、実話であるが故の荒唐無稽さ、些末さといったものが実話としての重みをもって読者に伝わる、なかなか読み応えのある作品だと思います。特に訳者があとがきにて指摘している通り、犯人や被害者、捜査官、隣人など、ほとんどすべての登場人物の家族との絆に意図的に焦点を当てることで、物語に非常な厚みが、少なくとも多大なページ数を費やしただけの厚みが出ていると思います。冒頭では被害者の家族の生活が事細かに描かれ、彼らの突然の死と、のちに語られる事件の克明な全容をより一層印象的にすることに成功しています。
長いけど実話故の読み応え
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『マーク・トウェイン短編集』古沢安二郎訳
最近海外文学の短編集に凝ってまして、この本はその一環として読みました。マーク・トウェインと言えばトム・ソーヤーの冒険が有名ですが、私は過去に一度読もうとして挫折しました。平たく言うと無駄に長かったからだと思います。その点これは短編集なので、一つ一つの話の切れ目が明確なのでダラダラ長くなることがなく、しかもトム・ソーヤーの冒険にみられるようなユーモアや滑稽さで暗示される真理の描写が随所にあって非常に機嫌よく読むことができました。
特に面白かったのは、『私が農業新聞をどんなふうに編集したか』『エスキモー娘のロマンス』の二編です。
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『読書は一冊のノートにまとめなさい』奥野宣之著
本書は著者の前作、『情報は一冊のノートにまとめなさい』がベストセラーになったことを踏まえて書かれた続編で、読書ノートの作成を奨励しています。本書の真価は1冊のノートにまとめる方法論ではなく、読書家の同氏が自身の読書の仕方を述べたところだと思いました。
続きを読む誰に育ててもらってると思ってるんだ
先日、興味深いまとめを見ました。
子供の頃親と喧嘩してると良く「誰に食わせてもらってんだ!」とか「誰に学費払ってもらってんだ」言われたけどさ - アルファルファモザイク
■あらすじ
ざっくりいうと、タイトルの言葉を親から投げかけられて嫌な思いがしたし、親としてこれは言っちゃいけないだろうという1にみんなが同意する話です。こういう言い方で議論を終わらせてしまうと子供の方に納得がなく、親に対する不信感が募ると思いますが、タイトルの発言はどういう気持ちで発されるのでしょうか。そこのところを考えてみようと思います。
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