【恋人がいない男の子へ】認識論的考察と戦略的提案
考察しました。
構成は以下の通りです。
■はじめに・おことわり
■女性が男性を好ましく認識するとき
■女性が男性を嫌悪の感情でもって認識するとき
■その差異
■美点と欠点の根源
■戦略的提案
--まとめ--
■はじめに・おことわり
若い人たちにとって、恋人の有無というのは自己や自己の人生の存在価値を決定する重要な問題です。この恋愛というゲームはどのようなルールのもとに勝者と敗者を選別しているのでしょうか。それを考えることは、若い人たちが恋愛ゲームのなかでの自身の身の振り方を考えていく上において、有用なことでしょう。今回は、恋愛ゲームに存在する不文律を考え、そのうえで正しい戦略を立案する試みをしてみようと思います。
■女性が男性を好ましく認識するとき
女性に好ましい感情でもって認識される男性の特徴とは何でしょうか。女性の過ちを赦す寛容さ、困難や危険から守ってくれる、あるいは女性の迷いや怠惰を断ち切ってくれる強さがあげられるでしょう。さらに特徴をあげつらい論じることはできますが、そのやり方はあまり本質的ではありません。本質的なやり方は恋愛というゲームのルールを理解し、そのうえで戦略を立てるという方法です。ここはあくまでそのあとの話につなげるための例示ですので、ここでは話を単純にするために、女性に好ましく思われる特徴は「寛容さ」「強さ」であるとしましょう。
男性の美点は「寛容さ」「強さ」
■女性が男性を嫌悪の感情でもって認識するとき
逆に、女性に嫌悪の感情でもって認識される男性の特徴を考えると、その中にはおそらく、約束や時間を守らないルーズさ、DV等の暴力的な解決に訴える凶暴さが入っていることでしょう。ここでも簡略化のために女性に嫌悪の感情でもって認識される男性の特徴は「怠惰さ」「凶暴さ」であるとします。
男性の欠点は「ルーズさ」「凶暴さ」
■その差異
ここが重要なのですが、うえに述べた男性の美点、欠点は表裏をなすものです。男性の攻撃性は、守ってくれ、迷いを断ち切ってくれる強さにもなれば暴力に訴える凶暴さにもなりますし、また同様に男性のおおざっぱさは、女性の過ちを赦す寛容さにもなれば、自身の過ちを赦すルーズさにもなります。今回は意図的にそのような表裏一体の特徴を拾い上げて紹介したわけですが、そのほかの美点や欠点に関しても同様の解釈が基本的には可能です。
美点と欠点は表裏一体
■美点・欠点の根源とその認識
また「攻撃性」「おおざっぱさ」は男性が有しがちな特徴であるということも重要な点です。男性が有しがちな特徴が、美しい発露の仕方をして、美点として認識されたときに、女性はその原因である男性を好ましく認識し、男性が有しがちな特徴が、醜い発露の仕方をして、欠点として認識されたときに、女性はその原因である男性を嫌悪をもって認識します。女性に好ましく認識されるとき、その裏側では、
男性が有しがちな特徴が
美しい発露をしている
という二つの要素が作用しているということです。この二つの要素のうち、前者の男性が有しがちな特徴は、恋人がいない男の子でも持っていることが多いです(男性が有しがちな特徴が男性が有していることが多いというのは当然です)。問題は後ろの「美しい発露をしている」という要素、ここでつまずく人たちが、恋愛ゲームでの敗者ということになります。肝はこの「美しい発露の仕方」だと言えます。似たような特徴を持っていても、その発露のさせ方によって決定的な差が生まれます。
特徴の発露のさせ方こそ肝
■戦略的提案
ここまで理解していただいたのちに、冒頭の「女性が男性を好ましく認識するとき」を列挙することは極めて有効です。列挙した特徴から、自分に合うものを選択するとき、自分自身で理解している自分の特徴、過去周囲の人から指摘された情報からした推測自分の特徴などをふまえ、
自分の特徴が美しく発露した結果として認識される方法
を選択することがこの記事での戦略的提案です。例えば先に述べた攻撃性は、自分の利益を守るためではなく、自分や自分の仲間を守り、問題や危険に立ち向かうために使われるべきで、攻撃性を有する男性はそのような戦略を採用するとよいでしょう。おおらかさは、これも自分の怠惰さを赦すためではなく、相手の過ちを赦すために使われるべきで、おおらかさを有する男性は、この場合もそのような戦略を採用するとよいでしょう。自分の特徴とそれの使い方(美しい発露のさせ方)を認識することで、恋愛ゲームで勝者になる確率が向上すると思います。
自分の特徴とそれの使い方(美しい発露のさせ方)を認識する
--まとめ--
本記事を踏まえて読むべき本をあげてみます。一冊目は『凍りのくじら』辻村深月著です。主人公が心惹かれる「別所」はどのような特徴をどのように発露させて主人公の心をひきつけたのかを考えてみてください。
あるいは『氷菓』米澤穂信著です。主人公「折木」のどのような点が、ヒロイン「千反田」の心をひきつけるのかは考える価値があります。
どちらも本サイトにて感想を述べています。