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けいおん!!『またまた学園祭!』『卒業式!』 感想

アニメみました。

けいおん!!『またまた学園祭!』『卒業式!』

 

以下感想です。

■『またまた学園祭!』あらすじ

■『卒業式!』あらすじ

--けいおん!!『またまた学園祭!』『卒業式!』まとめ--

■二つの回のつながり

 

■『またまた学園祭!』あらすじ

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軽音部メンバーの3年生4人にとっては最後の文化祭を成功裏に終わらせた軽音部メンバーが、部室で軽音部、高校生活が終わりに近づきつつあることを実感して涙ながらに終わりを惜しむ回です。唯が涙ながらに強がるところの豊崎愛生氏の演技が圧巻です。ライブの演奏やMCも、本シリーズの方針に漏れずほとんど省かずに、逆に文化祭の演奏に至るあれこれの描写を極力抑えることで、文化祭ライブの熱狂や疾走感が良く伝わってくる回です。夕日が差し込み、水槽の水の音とメンバーみんなの寝息だけが聞こえる静かな部室でのラストはライブの後の茫然自失な幸福感がよく表れています。

 

  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆

 

■『卒業式!』あらすじ

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この回は、軽音部メンバーの3年生4人が卒業式を迎える日の、軽音部の後輩「梓」の心境が描かれる回です。梓は、先輩達が音楽室に向かうのに見とれて柱に頭をぶつけたり、友人の呼びかけに答えなかったりと、落ち着かない感じです。卒業式前に卒業生に花をつけるシーンでは、卒業生である3年生4人が仲良く並んで話しているのを梓が遠くから眺めているシーンがあり、ここでのBGMは、梓の先輩達への思いが描かれた回『残暑見舞い』の花火のシーンで使われた「Happy Rainy Day」です。切なくも美しい旋律をピアノのみで演奏しているこの曲が梓の先輩達への思いを良く表しているといえます。そして部室で、先輩達の卒業証書をみて梓が泣いてしまい、梓のために4人が作った曲を演奏してラストになります。

 

  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆

 

--けいおん!!『またまた学園祭!』『卒業式!』まとめ--

 

■二つの回のつながり

 

『卒業式!』の回で、卒業する4人は、卒業するということを受け入れているように見えます。それは、紅白幕が張られ、卒業式仕様になった講堂を見た唯の台詞と、その際の四人の表情からうかがえます。

 

あ、ねえ!なんか講堂がいつもと違う!卒業式…なんだねえ…。

 

卒業式に対する遅すぎる気づきというボケなのですが、だれもつっこまず、みな卒業を受け入れた静かな表情をしています。また、教室に戻って卒業証書を受け取った唯と幼馴染の「和」の会話のシーンでも、同様の表情が見られます。

 

和「唯も卒業ね」

唯「おかげさまで」

この短いやり取りの後に、二人が沈黙して見詰め合うシーンがあります。和は幼稚園の頃からどこか抜けている唯の面倒を見ていた保護者的な友人であり、ふたりの表情はただ静かなだけではなく、和の表情からは唯の卒業を温かく見守る優しさが、唯の表情からは和に対する気負わない感謝の念が読み取れます。

 

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4人は卒業を受け入れている

 

しかし後輩の梓はそうではありません。卒業式の日に落ち着かなくなり、最後には卒業しないでと泣き出してしまいます。卒業を惜しんで泣くことは、『またまた学園祭!』で三年生4人もやっています。逆にそのときの梓は泣いている先輩達をなだめる役割で、自身は泣いていませんでした。『またまた学園祭!』の時点では梓は高校生活の終わりを意識せず(実際あと2年生なので一年続く)、『卒業式!』の時点で先輩達との別れを意識して泣く、という構造になっています。この卒業式時点での梓の号泣は、軽音部全員がお互いの別れを惜しむことができ、それによって彼女らの高校生活が彼女らにとってかけがえのないものであったということがわかる瞬間です。学園祭から卒業式までの期間をあけて、全員がようやく全員が同じ気持ちを共有できたわけです。梓は当然悲しい気持ちで泣いているのですがBGMは『雲上茶屋』です。このBGMは、軽音部が学園祭準備のために学校に泊り込み、夜の学校を探検するときに使われたもので、ワクワクするような期待感のあるBGMです。梓の一時的な悲しい気持ちを飛び越えて、全員が気持ちを共有できた嬉しさが描かれています。何か教訓があるわけではありませんが、物語として非常に美しく、本作の最後にふさわしい感動があります。

 

  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆