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けいおん!!より『残暑見舞い!』 感想

アニメ観ました。

けいおん!!より『残暑見舞い!』

 

以下感想です。

■あらすじ

■夢1

■夢2

■夢3

■夢4

■夏祭りと花火のシーン

--『残暑見舞い!』まとめ--

 

■あらすじ

 

軽音部の唯一の後輩、「梓」の目線から、先輩達と過ごす日々の印象が描かれる回です。梓は徹夜明けで、うたた寝しては先輩たちの夢を繰り返し見ます。日常のパートに梓の夢が差し挟まれる形でストーリーは進行し、最後に夢と現実が溶け合ったような幻想的な現実の夏祭りの花火のシーンがあるという構成をしています。夢がたびたびはさまれるという演出により、徹夜明けのぼんやりした幻想的な雰囲気が良く表現された回です。ちなみに夢か現実かは、注意深く観察すると現実にそぐわないものがあったりでわかるのですが、最もわかりやすいのは梓の肌の色です。梓は現実では日焼けしているのですが、夢のシーンでは日焼けしていない姿になっています。最終的にはこの日焼けした肌というアイテムも演出に使用されることになりますが、それは後述します。

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徹夜明けの梓が、夢かうつつかわからない生活の中で幻想的な光景を見る

 

  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆

 

■夢1

 

最初の夢は、スイカを運んで唯の家を訪ねる夢です。唯の部屋からはギターの音のみが聞こえてきて、唯と出会うことはありません。唯が気分をギターの演奏で表現するというジョークの下りでありながら、この音には聞こえるけれども姿を見せないという表現で、唯の神秘性、あるいは高校2年生である梓から見た、受験を控えた高校三年生である唯との隔絶感がよく表れています。

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演奏は聞こえるけど姿は見えない唯の登場は、先輩の神秘性と隔絶感の表現

 

  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆

 

■夢2

 

次に出てくる夢は、遠くに外の蝉の声と放送部の発声練習の声が聞こえる静かな部室でうたた寝したときに見る、ホラー映画の夢です。映画館に先輩の一人「澪」が怖がり克服の特訓のためにホラー映画を見に来ます。澪は前の席にすわり、会話はありません。ここも先輩との隔絶感の表現と見ることができます。

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姿は見えるけど会話ができない澪の登場は、やはり先輩との隔絶感の表現

 

  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆

 

■夢3

 

次は、福引アシスタントの夢です。先輩の一人「紬」が福引でポケットティッシュを引くためにフィンランド旅行から帰ってきます。この夢では特に先輩との隔絶感を示す描写は見当たりませんが、一等のフィンランド旅行券に付いていた熨斗がポケットティッシュに付け替えられる描写や、渡されるポケットティッシュが一抱えほどもある描写で、夢ならではのカオスな雰囲気を表現しています。

 

  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆

 

■夢4

 

プールに行って、焼きそばウォータースライダーをする夢です。この夢は、プールで体を焼いている途中にうたた寝してみた夢なので、体は全身焼き終わっています。梓も挑戦して先輩とぶつかりそうになって目覚めるという夢ですが、先輩はみんなやきそばスライダーに夢中で、先輩の一人「律」は焼きそばスライダー運営側の登場人物として描かれていて、焼きそばスライダーという競技の説明は一切なく、この夢は自分の与り知らない所に先輩たちはいる、先輩たちの世界があるという梓の思い、隔絶感を表わしていると見ることができます。

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焼きそばスライダーという意味不明な遊びを堪能する先輩たちの夢は、梓が先輩たちだけの世界を意識していることの表現

 

  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆

 

■夏祭りと花火のシーン

 

このシーンがこの回の要です。このシーンは夢ではなく、実際に先輩と一緒に夏祭りに行って、花火を見るために先輩に手を引かれて走るというシーンですが、ここで梓の心の声で、

 

「また私、夢見てるのかな…」

 

というセリフが入ります。今までは夢と現実を肌の色で見分けることができましたが、先のプールの夢で肌を焼いてしまっているので、その判別ができなくなっており、そのギミックが逆にこの「現実の」花火のシーンを「夢のように」見せているということができます。夢のシーンを繰り返しはさんで、その境界線を最終的には曖昧にしてしまうことで、現実のシーンの幻想的な美しさがより際立ち、それは梓の先のセリフにも信憑性を与えているといえます。

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夢か現実かを曖昧に演出して、現実の花火の美しさを夢のように幻想的に表現している

 

  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆

 

--『残暑見舞い!』まとめ--

 

花火のシーンで、幻想的な花火が先輩の背中越しに、特に仲の良かった唯に手を引かれた状態で見えているというのが示唆的です。花火はこの回全体を通して幻想的に演出された現実の中の夢のような光景で、先輩に手を引かれて走るということは、後輩として入部した軽音部で過ごした日々のことを指すと考えられます。そう考えると、この回で言いたいことは、梓にとって高校生活、軽音部とは、夢か現かわからず、先輩に手を引かれて見た、幻想的な花火のようなものだったということ、その日々の美しさであるということができます。また、先輩が出てくる夢を繰り返し見ていることや、梓の心配として先輩方が卒業した後に独りになってしまうことが繰り返し描かれていることから、梓の中で先輩達の存在が非常に大きいものになっていることが分かります。先輩たちの最後のライブの終わり、卒業の切なさにつながる極めて重要な回だと思います。

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梓にとって、先輩に手を引かれるように過ごす高校生活は夢の花火のように幻想的な現実

 

  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆