もののけ姫
どうも!じざもです。
映像作品としてはすごい美しくて、キャラクターも魅力的だったんですが、アシタカがやってることがいまいち意味が分かりませんでしたね。
サンを救う動機がいまいち弱い気がします。
恋慕の情って言っても結局は一目惚れだし…
ファンからもらった(しかもかなり個人的な)プレゼントを別の女性に流す行為ははっきり言ってひきました。最低です。
逆にエボシはすごいはっきりしてて、人間が暮らしていくために手段を択ばないところに(禁忌とされる神殺しをしようとしている)、断固とした意志が感じられます。
過去の不合理な因習を打破していく(いち早く鉄砲を取り入れる、女性や病人を積極的に起用する、等)リアリストで、シシ神を前にして一歩もひるまない豪胆さを持ち、たたら場というコミュニティを率いていくカリスマ性をも備えています。カッコイイ。
作品の主張としては、生命とか自然とか運命とか秩序とかそういったものの象徴であるシシ神を殺そうとしたエボシと、エボシの村たたら場が、その行為の代償に多大な犠牲を払う様を描くことで、自然への畏敬を忘れた人間の態度に警鐘を鳴らしているのかなと思いました。
この主題に関しては自分の未熟さゆえに理解が及ばなかった感があります。
自然への畏敬というものが既に理解できなくて、理解できないほど大きなものを前にしたときに、訳も分からず崇拝するというのは思考停止なんじゃないかと思います。先に述べたエボシのリアリストな態度の方がまだ共感できます。
奇しくも僕が好きな本に、「全部頭で考えてわかった気になるな」という趣旨のことが書いてあって、この作品が言いたいこともそういうことなのかなと思います。
征服するでもなく崇拝するでもなく「シシ神」と関わる方法があるということですねー。
エボシみたいに右腕失う前にその境地に至らないといけないですね!