『ティファニーで朝食を』トルーマン・カポーティ著、村上春樹訳
カポーティの著作は、この前『冷血』を読みまして、それ自体は取り立ててすごいというわけではなかったのですが、その時にカポーティという作家が有名らしいということを知りまして、古本屋の棚にそのカポーティの作品があったことで手に取ったのが本書です。購入してから、あの村上春樹氏の訳だったことに気づき、同氏がご自身の個性を前面に押し出してしまっているとワケワカラン感じになってしまっているのでは、という危惧があったのですが、そんなこともなく、非常に素晴らしい作品でした。またこれも購入してから気づいたのですが、本書は表題作『ティファニーで朝食を』を含む短編集で、表題作以外の3本の短編も名作揃いでした。
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『人生論』トルストイ著、原卓也訳
人生全般について論じた本です。本書では人間を動物的基盤の上で生きる理性的な存在と規定し、それに基づいて幸福の在り方や生と死の在り方を論じています。
続きを読む夢のクレヨン王国
この作品は、1997年-1999年にかけて放映されたアニメです。
オープニングとエンディングが印象的なので名前は憶えていなくても聞くと思いだす人もいるかと思います。
夢のクレヨン王国OP「ン・パカ マーチ」徳光由香・東京少年少女合唱隊 - Youtube
夢のクレヨン王国 エンディング ありのままに(杉山加奈・1997) - Youtube
続きを読む『城』フランツ・カフカ著
■あらすじ・みどころ
測量士として仕事を依頼されやってきた「K」が、当地の決まりや手続きに翻弄されて、ついに職務に就けずに、測量士としての本領を発揮できない話です。測量士として働こうとする中でKは、依頼者である『城』との交渉を絶えず試みますが、城はその複雑な行政機構から多くの代弁者、使者を抱え、Kの交渉は遅々として前に進みません。Kが非凡な熱意をもって城と意思疎通をはかろうとする様子と、いかにしても手の届かない城側の曖昧模糊な受け答えがこの作品の見どころだと思います。例えば、Kは測量士としてこの地に派遣されますが、直接の上司である村長に掛け合うと、測量士は不要であるとの回答を受け、憤慨して村長宅を辞したKのところに、学校の小間使いとしてなら雇ってもいいという通達が来るシーンはその最たるもので、村長の複雑で長い説明と、通達に来る使者である学校の教師のムカツク物言いが非常にエキサイティングだと思います。
異邦の地で職を得たいKが本領を発揮できない
お役所仕事的なたらい回しと冗長な処理
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やさしい『Amazon music unlimited』30日間無料体験のはじめかた
本日は、amazonが提供しているサービス
Amazon music unlimitedの30日間無料体験の始め方
を解説します。読書のお供にどうぞ。
読書のお供に、Amazon music unlimited。
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『わかる!!わかる!!わかる!!小論文&作文』坂東恭一著
■要するに
小論文を書く機会があり、読みました。一応小論文一般の参考書ということになっていますが、著者の経歴が出版社→新聞社→フリージャーナリストということで、かなり出版・マスコミ業界に特化した内容で、他の業界の選考ではまれな三題噺や、抽象的なテーマの作文の対策に紙面が割かれています。
続きを読む『微笑がえし』阿木燿子作詞
先日友人に上記の曲を進められたので、聞いてみたところ非常にすばらしい曲でした。
この曲は主人公の女性である「私」と、付き合っていた彼氏の「あなた」が、同棲していた住まいを引き払う話です。周囲の人たちから引っ越し祝いをもらって、そのお祝い返しをするという描写から、二人の関係は周囲の公認のもので、周囲からはそんな二人が順風満帆な新生活をスタートしたように見えたであろうことが伺えます。
その二人の同棲の解消には二人にしかわからないやんごとない事情があるのでしょうが、その事情をいちいち説明することなく、表向きは引っ越しにまつわるこまごまとした情景の描写に終始しています。しかし、その中に二人の歴史、「私」の思いを感じさせる印象的なモチーフがちりばめられていて、それがこの作品のすごい所だと思います。
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