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【意味】『道徳形而上学原論』カント著【不明】

深秋の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。年がら年中読書をしていますが、読書の秋、ということで、この時期、深まる秋の空気を感じながら喫茶店などに出向いてのんびり読書などするのもまた格別な趣がありますね。

 

こちらは、よくモーニングと読書で利用している喫茶店です。家からは少し遠いのですが、ここら辺ではコーヒー、料理共にダントツでおいしくて雰囲気も素敵なお気に入りの店です。

 

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推理小説を読まない理由

趣味は読書と称して憚らない私ですが、読まないジャンルがあります。

推理小説

です。特にミステリーが嫌いで読まないというわけではなく、何となく選ぶ本の中に推理小説が決まって入っていないということなのですが、この無意識の本のセレクトの中に、私の読書にかける思いが端的に表れているように感じました。

 

推理小説を読まない

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秒速五センチメートル

■要するに

読者様各位

新年あけましておめでとうございます。

2018年1月3日の『君の名は。』地上波公開に先立って、新海誠氏が手掛けた過去作品が地上波でいくつか放送されており、本作はそのうちの一つとして放送されたものです。この作品は過去に見たことがあって、その時も憂鬱になるほどの切なさを有した素晴らしい作品だと感じた記憶がありますが、しばらくしてみてみるとやはり色あせない印象を持った素晴らしい作品だと感じました。

本作は、

内的な体験としての恋愛

を描いた作品であると感じました。

内的な体験としての恋愛を描いた、色褪せない作品

 

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『変身』(カフカ著)解説

参考にするのは下記の論文です。

フランツ・カフカの『変身』について 一「虫」の大きさの考察一

 

■要するに

この論文では、作中の主人公が変身してしまった「虫」の大きさが場面によって伸縮していると指摘し、虫の体長はの大きさは、主人公と社会のつながりの大きさに比例するとしています。ストーリーとしては、部を追うごとに主人公と社会との関係は断絶していき、虫の大きさはそれに伴って縮小していきます。具体的には、1部で家に来た会社の上司が肝をつぶして逃げ出し、3部で家族にも愛想をつかされ、それに伴って冒頭では虫の大きさは人の背丈ほどもあるのが、終盤ではやや大きいカブトムシほどの大きさになっています。

 

虫の大きさは社会との繋がりの大きさに応じて変化している

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『変身』カフカ著

■要するに

ある朝目覚めると虫になっていた男と、その家族の苦悩、男の死までを描いた作品です。この作品を読む前に著者カフカについて、『絶望名人カフカの人生論』という本を読んで、カフカという人のおおざっぱな特徴は前情報として知っていました。

 

『絶望名人カフカの人生論』カフカ著 頭木弘樹編訳 - H * O * N

 

この本によると、カフカはネガティブすぎて病気になったときに生きる苦しみから逃れられると言って狂喜するほどの人物だったとのことでしたが、本作にもカフカのそんなネガティブな一面がいかんなく発揮されていて、数々の不快さの小ネタが本作のいいアクセントになっていると思います。

 

そして意外にも、割と読みやすかったです。読むまでは難解で重厚な印象がありましたが、割とすぐに作品の世界に入って行けて、最後まで機嫌よく読むことができました。

 

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割と読みやすい

 

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『逮捕されるまで』市橋達也著

■要するに

この本は殺人犯の市橋達也氏が、犯罪を犯してから逮捕されるまでの2年7か月の逃亡生活を述べた作品です。飾らない言葉で、起こった事実に基づいた事柄のみを淡々と叙述していますが、全国を転々とする中で氏が体験した、沖縄でのサバイバル生活、大阪での肉体労働の日々、そう言った特異な体験が、本書を特異な作品にしていると思います。

 

平易な語り口で特異な体験を語る特異な作品

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スタインベック『蛇』解説

下記のサイト(pdf)を参考にスタインベックの『蛇』について解説します。

 

ジョン・スタインベックの『蛇』について_中村正生 - 長崎大学学術研究成果リポジトリ

 

■あらすじ

 

この作品はフィリップス博士の研究所にやってきた女が、ガラガラヘビを売ってほしい、えさを食べるところを見たいという奇妙な要求をする話です。蛇が餌を食べるのを見る女は、蛇と二重写しのような所作を見せ始め、蛇が顎を外して口を開けて獲物を飲み込むとき、博士は恐怖で女の顔を見ることができずに目を背けます。女はまた餌をやりに来ると言い残したきり、二度と戻ってこなかった、という筋書きになっています。

 

蛇を買いたいという女

蛇が餌を食べているのを見ながら、不気味に蛇と二重写しの所作をする女

女の得体の知れなさが不気味

 

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