【意味】『道徳形而上学原論』カント著【不明】
深秋の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。年がら年中読書をしていますが、読書の秋、ということで、この時期、深まる秋の空気を感じながら喫茶店などに出向いてのんびり読書などするのもまた格別な趣がありますね。
こちらは、よくモーニングと読書で利用している喫茶店です。家からは少し遠いのですが、ここら辺ではコーヒー、料理共にダントツでおいしくて雰囲気も素敵なお気に入りの店です。
続きを読む
『変身』(カフカ著)解説
参考にするのは下記の論文です。
フランツ・カフカの『変身』について 一「虫」の大きさの考察一
■要するに
この論文では、作中の主人公が変身してしまった「虫」の大きさが場面によって伸縮していると指摘し、虫の体長はの大きさは、主人公と社会のつながりの大きさに比例するとしています。ストーリーとしては、部を追うごとに主人公と社会との関係は断絶していき、虫の大きさはそれに伴って縮小していきます。具体的には、1部で家に来た会社の上司が肝をつぶして逃げ出し、3部で家族にも愛想をつかされ、それに伴って冒頭では虫の大きさは人の背丈ほどもあるのが、終盤ではやや大きいカブトムシほどの大きさになっています。
虫の大きさは社会との繋がりの大きさに応じて変化している
続きを読む『変身』カフカ著
■要するに
ある朝目覚めると虫になっていた男と、その家族の苦悩、男の死までを描いた作品です。この作品を読む前に著者カフカについて、『絶望名人カフカの人生論』という本を読んで、カフカという人のおおざっぱな特徴は前情報として知っていました。
『絶望名人カフカの人生論』カフカ著 頭木弘樹編訳 - H * O * N
この本によると、カフカはネガティブすぎて病気になったときに生きる苦しみから逃れられると言って狂喜するほどの人物だったとのことでしたが、本作にもカフカのそんなネガティブな一面がいかんなく発揮されていて、数々の不快さの小ネタが本作のいいアクセントになっていると思います。
そして意外にも、割と読みやすかったです。読むまでは難解で重厚な印象がありましたが、割とすぐに作品の世界に入って行けて、最後まで機嫌よく読むことができました。
割と読みやすい
続きを読む
スタインベック『蛇』解説
下記のサイト(pdf)を参考にスタインベックの『蛇』について解説します。
ジョン・スタインベックの『蛇』について_中村正生 - 長崎大学学術研究成果リポジトリ
■あらすじ
この作品はフィリップス博士の研究所にやってきた女が、ガラガラヘビを売ってほしい、えさを食べるところを見たいという奇妙な要求をする話です。蛇が餌を食べるのを見る女は、蛇と二重写しのような所作を見せ始め、蛇が顎を外して口を開けて獲物を飲み込むとき、博士は恐怖で女の顔を見ることができずに目を背けます。女はまた餌をやりに来ると言い残したきり、二度と戻ってこなかった、という筋書きになっています。
蛇を買いたいという女
蛇が餌を食べているのを見ながら、不気味に蛇と二重写しの所作をする女
女の得体の知れなさが不気味
続きを読む