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読書家の私が言われた悪口ベストスリー

■叩かれる

 

拝啓、盛夏の候、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。人によっては意外な事実かもしれませんが、

読書してると、割と叩かれます。

面と向かって批判、罵倒してくる場合ももちろんありますし、奇異の視線、物珍しそうな問いかけ、ということになると、もう枚挙にいとまがありません。読書ほど人と社会に迷惑をかけない趣味もそうないと思いますが、世の中には読書している人を見るのが気にくわないという人がいるみたいです。今日は過去に言われた悪口をランキング形式で取り上げ、それぞれに分析を加えてみようと思います。

 

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『読書について』(著:ショーペンハウエル、訳:斎藤忍随)

本読みました。『読書について』(著:ショーペンハウエル、訳:斎藤忍随)

■総評

読書という営みそのものへの興味は、読書家に共通のものだと思います。日本人は幼いころから読書をすることが教育的に(学校教育への寄与という点において)善とされている風土で育っているので、読書をするときの自意識として、「寸暇を惜しんで本を読んでるぼくちゃん偉いダロ」的な感情が多かれ少なかれあることは確かだと思いますが、そんな人にとっては本書はかなりショッキングというか、パラダイムシフトな内容になっていると思います。

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読書家の驕りを戒める本

 

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『ゼロ・グラビティ』

映画観ました。『ゼロ・グラビティ

 

摂氏125度からマイナス100度の間で変動する温度、音を伝える空気も、酸素もなく、90分ごとに襲ってくるスペースデブリの群れという極限状態の宇宙で、地球への生還を目指す宇宙飛行士の孤独な戦いを描いた作品です。

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モーパッサンの短編にみられる逆説的表現について

モーパッサン短編集1-3を通しで読んで、「逆説的な表現」がよくつかわれているということに気づきました。

 

■貧乏の表現

例えば、貧乏を説明するときに、貧乏で生活が苦しい様を描くのではなくて、逆に貧乏な家庭がたまのハレの日に奮発して彼らなりにスペシャルな料理を食卓に並べた様を描いていて、これが直接的に貧乏を描写する以上に効果的に貧乏を説明している、という箇所があります。

 

例えば『田園悲話』において、

 

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岡崎体育氏の楽曲『Snack』『飛び散る恋神経系』『式』考察

今、『岡崎体育』氏がアツいです。私はGINROのCMソング『割る!』がよかったのでそれから同氏の曲を聞き始めたのですが、そういうオモシロイノリのいい曲から、『鴨川等間隔』のような10-20代の感性を瑞々しく捉えた真面目系の深い曲まで手掛ける非常に幅の広いアーティストです。

現在Youtubeにてアップされている真面目系の曲『Snack』『飛び散る恋神経系』『式』について解説を試みます。

 

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『モーパッサン短編集Ⅱ』(著:モーパッサン、訳:青柳瑞穂)

本読みました。

モーパッサン短編集Ⅱ』(著:モーパッサン、訳:青柳瑞穂)

 

ちょっと前にこの短編集のⅠの感想をアップしましたが、訳者の青柳瑞穂氏によると、Ⅰはモーパッサンの故郷であるノルマンディの漁村農村を舞台にした「田舎モノ」、続くこのⅡは、モーパッサンが青春時代を過ごしたパリを舞台にした「都会モノ」という分類になっているとのことでした。

『モーパッサン短編集Ⅰ』(著:モーパッサン、訳:青柳瑞穂) - H * O * N

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